クロと僕とダンスを

杉浦 裕次郎

07:58
第18回 入選

自分は、実は、とくにアニメーション作品をつくりたかったわけではありません。何か作品をつくらねばならなかったとき、周囲の人々が美しい絵を描いたり、分厚い本を書いたりする中で、なんの技術も持たない自分が作品をつくれる唯一の可能性がパソコンというツールだったのです。
自分にはアニメーションに関して何の技術もありません。きれいな一枚画も、なめらかな動画を描くこともできません。でも、そういったことは、パソコンが勝手にやってくれます。
作中で何の力も持たない主人公が体のパーツを付け替えて凄い力を発揮するように、技術がなくても、世界に散らばっているツールを見つけ利用すれば、アニメーションに限らず作品はつくれるのです。ただしそれは、絶対に勝てない怪物との戦いの始まりでもあります。
今後はグループで一つのゲームを作りたいと考えています。興味のある方はぜひホームページをご覧ください。
作品内のマーク・シンボルは全てわたしのデザインしたものです。幾何学形態白黒に限定したことで、ムービーの長さのわりに制作期間の短縮、性能の低いパソコンでも作業しやすい、制作人数の縮小、動きの面白さの強調が可能になった。冒頭、終了間際の人物はわたしです。声も自前です。複雑で、カラフルで、かっこいいモデリングは、ときに不必要であることが技術が無いと迷い悩む人の助けになれば幸いです。