MUSE
ヤマダ ヒロユキ
03:45
第10回 映像賞
この作品は、大学での卒業制作の一部です。「人とものとの関係」を大学時代の研究テーマにしていたのですが、実際に物を作ることに答をみいだすことを疑問に思い、コンセプトから人の手にわたるまでのプロセスと、物のまわりにただよう雰囲気みたいなものを形にしてみました。物がそこにある理由と、私がこれからやりたい気楽なデザインのかたちを感じていただければ幸いです。
自分の居場所っていつも気になります。そして、たまには探しに出かけます。でも自分の中に自分を支える物は何もなくて、自分の場所はひとりでは決められなくて、周りのヒトやモノがあってはじめて自分の場所を見つけることができるのです。
モノは形があるものです。でも私達が日頃接しているのはその意味の部分だけにすぎません。
風化してゆくだけが定めではなく、大切なモノは壊れても大切。身の回りにあるモノは、必ずしもヒトが生み出したものではありません。でもヒトが作り出したものは、もともとある偉大なものを翻訳してわかりやすいかたちにつくり直した結果じゃないかなと思います。
わたしは「モノをつくる」という仕事を選びました。自分の居場所を探す目印を、わかりやすく伝える仕事です。この作品を通して、私が日頃感じている事がお伝えできれば、それはとてもすばらしいことだと思います。
こう思って、この作品に取り組みました。