Sensitive Tone
腰原 仁志
05:55
第8回 グランプリ
作品は、音符の嫌いな人に捧げる童話であり、小学生に音楽理論の初歩を感覚的に伝えるための実験作でもあります。台調の説明が多いのはそのためです。
・タイトル「sensitive Tone」には、二つの意味があります。ーつは直訳で「繊細な音」。もうーっは音楽用語で「Tension」(基礎和音にはない音を加えることにより、音の響きに緊張を与えること)の別名です。今回の音符たちの関係は、厳密にはTensionとは呼べないのですが、音が緊張した状態から安定するという広義な意味で、タイトルに用いています。音楽に詳しい方にはタイトルだけでオチが見えてしまう点をお詫びします。
・制作のきっかけは、友人の小学校音楽教師との議論でした。彼は現在の音楽教育に疑問を持っていて、“1の和音とか4の和音とか、無意味な理論から入るから、音符を嫌いになる子が多いんだ””と力説していました。私も前から””小学生なんか「歌うのって楽しいねー』だけでいいんじゃないのかな””と思っていたので、””音を理論としてでなぐ感覚として伝える””ことに、CGAで挑戦してみたくなったのです。
・先ほどの友人の生徒たちにこの作品を見てもらったところ、色々厳しい御意見(笑)もありましたが、子供の一人が音って不思議だね””と言ってくれました。私は、その言葉だけで十分です。
・特に苦労した点はありません。でも、X68とXL/IMAGEの速さには泣かされました。仕事に行く早朝に描き始め、夜遅く帰宅したら、3枚しか作画できてないこともありました。1カットに丸1週間かかったこともあります。また画像データもバカでかくX68の画像だけでM016枚組、Macで処理したデータを含めると総勢4ギガになります。もう絶対こんな長いのはやめようと思ってたのに・・
それにしても、戦闘シーンのない作品作ると、ストレスが溜まるわ。