日本の城(熊本城)
谷口 貴敬
05:48
第8回 入選
・全体を把握せずに作業をすすめて、行きまってしまう失敗は誰もが経験するだろう。一昨年、大阪デザイナー専門学校CG科の卒業制作として制作していた作品が、やり直しの必要を感じながら無理に押し進めた結果、提出期銀に間に合わなくなり、お恥ずかしい限りだが、一度留年してしまった。この反省を踏まえて、一から作りなおしたのがこの作品です。
・第一に”人の目を引きつけるアクションや、ストーリーがあるものは避け、きちんと作品としてまとまり主張のあるもの”を目指した。確かに激しいアクションなどで人の気を引いても虚栄心は満足できるが、そのせいで失数したのだから、自分の確実にこなせる範囲で仕上げることが大事だと思った。
・そこで注目したのが、5分間という時置で、各地を案内するNHKの「名曲アルバム」です。さらに、歴史好きの私は、日本の城を使おうと考え、資料をそろえる作業ら入りました。
・やはり形状制作に時間がかかり、特にバーツ間のバランスをとるのにも苦労しました。色もなかなか気に入らなくて、何度も作り直しました。
・すべての画像が用意でき、HDを抱えて学校に行き、ビデオで文字を合成して完成しました。そのときは、激しい感動の波が襲い、声もうわずった。当然、卒業制作であれば合もあれば否もあるわけなのに、自信満々で、疑念の余地も無く合格を信じた。
・それから一年半経ち今回コンテストに応募するにあたり、ビデオケースの下からひっぱり出して見なおすと、当時の感動の余韻も消えて、形状の粗さ、テロップの表示時間、明るさ等、冷静に気に入らない点を見つけることができる。こんな作品に入選の評価は恐縮するばかりだ。そして、一心不乱にCGAと格闘していた日々の自分に”よかったね”と声をかけている。